先週の日曜は、市の催している小さなお茶会のお手伝いに出ました。
六月は単衣の季節。
梅雨に入って少し肌寒いくらいの気候が、きものにはちょうどですし
襦袢も着物も軽くなるので着ていて気持ちがよいですね。
ただし単衣のものはあまり数がありませんので、コーディネートする楽しみは
少ないんですけどね(-.-;)
今回のいでたちは…
クリーム地に松葉模様の付け下げ小紋
淡いオレンジと緑をぼかしてさっと銀をはいた夏帯
薄水色の絽の帯揚げ
孔雀色の帯締め
オパール細工のひまわりの帯留め
白の織りの草履
去年ネットオークションで購入して出番を待っていたカゴバッグです。
ブルーとパープルのコンビに惹かれて。
色数を絞って、とにかく爽やかに涼しげに軽やかに。
ちょっと物足りないかな?というくらいのあっさりしたコーディネートが
蒸し暑い日本の夏にはちょうどよいと思います。
例え着ている本人は暑くても、見る人にひとときの涼を感じさせる
そんな着姿に憧れますね。
なので最近どんどんエスカレートしつつある、カラフルで派手な浴衣は…
やっぱりあまり好きではありません。
浴衣もひとつのファッションになり、独自のアレンジが加えられるのが
和洋折衷という、現代の新しい着物のスタイルなのかもしれませんし、
着物という古くて目新しい装いを、普段とは違った晴れ着の感覚で着る若い世代を
しきたりから外れているからと、非難することもできません。
着るものですから、いろんな楽しみ方があっていいと思います。
決まりごとに縛られるのは、私も好きではありませんし…。
しかし、その上であえて言ってしまいます。
「浴衣はシンプルな藍と白が一番素敵!」
染色家志村ふくみさんの著書の中に、志村さんのお母様が、いつも
「日本人に一番に合う色は藍染の藍色だ」と言っていた…という一節がありました。
藍の成分には虫よけの効果があることも、夏に着る浴衣が古くから藍だったことに通じます。
今は化学染料が主流になり、手間のかかる本藍染めのものは稀少ですが、
なんとか古着でいいから藍染の浴衣を手に入れたいなと思っております。
着ている本人ももちろん、周りみんなが涼やかな装いを楽しむことは、
冷房も何もない暑い夏を過ごすための、日本人の知恵だったのだと思います。
周囲との和を大切にした心を、現代に生きる私たちも受け継いでいけたら…
そんなことを思う、今日この頃です。